François-Frédéric Guy
フランソワ=フレデリック・ギィ
フランソワ=フレデリック・ギィは、とりわけベートーヴェンのスペシャリストとして広く知られている。彼は2008年に、ベートーヴェンのソナタ全曲および5つのピアノ協奏曲の演奏会および録音のプロジェクトを スタートさせた。彼は室内楽奏者としての活動にも真摯に取り組んでおり、ベートーヴェンのピアノと弦楽器のための作品につき、定期的にバイオリン奏者テディ・パパヴラミおよびチェロ奏者グザヴィエ・フィリップと共演している。彼はこのベートーヴェンプロジェクトの一環として、ワシントンDC、パリ、リオデジャネイロ、モンテカルロ、メスその他の都市で、ピアノソナタ32曲全曲演奏会のシリーズを行っており、最近では、 ラ・コート・サン・タンドレのベルリオーズフェスティバルでも演奏している。
Piano / France
フランソワ=フレデリック・ギィは、フィルハーモニー管弦楽団、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、ミュンヘン交響楽団、パリ管弦楽団、フランス放送フィルハーモニー管弦楽団、サンフランシスコ交響楽団、チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団などの有名なオーケストラへ、定期的にゲスト出演をしている。また、彼は、エサ=ペッカ・サロネン、ベルナルト・ハイティンク、大野和士、マルク・アルブレヒト、フィリップ・ジョルダン、ダニエル・ハーディング、ネーメ・ヤルヴィ、パーヴォ・ベルグルンド、ライオネル・ブリンガー、マイケル・ティルソン・トーマスおよびケント・ナガノなどを含む世界の著名な指揮者と共演している。彼のリサイタルは、ロンドン、ミラノ、ベルリン、ミュンヘン、モスクワ、パリ、ウィーン、およびワシントンDCを含む主要な都市のコンサート・ホールや、ラ・ロック=ダンテロンピアノフェスティバル、ワルシャワのショパンフェスティバル、ボンのベートーヴェンフェスティバル、モンテカルロ春の芸術祭、およびチェルトナムフェスティバルなどで演奏している。
フランソワ=フレデリック・ギィは、デビュー当時からソリストとしてだけでなく、リエージュ・フィルハーモニー管弦楽団、アヴィニョン交響楽団の指揮者としても活躍してきており、しばしばベートーヴェンの協奏曲全曲の弾き振りをしている。最近では、モンペリエ・ラングドック・ルションにおけるフランス放送音楽祭において、シンフォニア・ヴァルソヴィアと共演して協奏曲全曲演奏会(指揮・ピアノソロ)を行っており、近年は更に活動範囲を広げてきている。現代音楽の専門家としては、メサ市アーセナルホールのレジデンシャル・アーティストとなっている。
また、2021年には、エリザベート王妃国際コンクールのピアノ部門の審査員を務め、各地でのマスタークラスも開催するなど、後進の指導や育成に力を注いできている。
2023シーズンは、ショパンの新譜『シークレットガーデン』を持って各地での公演および、これまでのベートーヴェンの演奏など、円熟味を増してますます活躍の場が広がってきている。
この取り組みは年々評価が高まり、2017年から2020年までパリ室内管弦楽団所属のアーティストとして、ベートーヴェン250周年記念イヤーでパリでのベートーベン協奏曲の演奏/指揮の完全なサイクルを予定していた。幸い1月のシャンゼリゼ劇場は、スタンディングオベーションで終わる素晴らしい幕開けとなることができ、さらに世界各地でベートーヴェンの演奏を行ってきている。
CDリリースも初期から精力的に行われている。ソナタ全曲のライブ録音のボックスセットは、2013年10月にフランスのレーベルであるジグザグテリトワールからリリースされた。さらに2019年には、自ら指揮をとってベートーヴェンのピアノ協奏曲全集をリリースしている。
フランソワ=フレデリック・ギィは、「ベートーヴェンは音楽のアルファでありオメガである」というほどベートーヴェンを敬愛しているが、さらに、トリスタン・ミュライユをはじめ、イヴァン・フェデーレ、マルク・モネ、ジェラール・ペソン、ブルーノ・マントバーニ、ユーグ・デュフールなどの現代音楽作曲家と強い関係を持っており、特にデュフールについては、彼の代表的ピアノ曲である2006年作曲の「魔王」が、ギィに捧げられている。
また、彼は、マルク・モネの「断章」(2007)および、ポルト管弦楽団、トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団、BBC管弦楽団などと共演したマントバーニのダブルコンチェルト(2012)の世界初演を行っている。トリスタン・ミュライユとの関係も深く、2013年10月には、ミュライユ作曲の「世界の幻滅」の世界初演をソウル交響楽団と共演したことをはじめとして、多くの作品の初演を手がけている。さらに2021年〜2022年シーズンには、東京新国立劇場武満ホール(NHK交響楽団との共演 2024年5月予定に順延)、パリのラジオフランスホール、ハンブルクのエルプフィルハーモニーで、ミュライユのピアノ協奏曲の世界初演のプロジェクトを行った。