Trio Wanderer
トリオ・ヴァンダラー
トリオ・ヴァンダラーは、1987年にパリ音楽院在学中に結成され、2017年に結成30周年を迎えました。結成当初から、メンバー間の深い信頼と、演奏活動に対する絶対的な優先順位を持ち続けており、その卓越した技術、繊細な音創りの感性、そしてテレパシーのようなコミュニケーションに支えられたアンサンブル力が、世界有数の室内アンサンブルとして高く評価されています。
パリ国立高等音楽院で室内楽プリミエ・プリ(一等賞)を受賞したのち、1987年から1991年にかけてジャン=クロード·ペヌティエ、ジャン·ユボー、ヤーノシュ・シュタルケル、メナヘム·プレスラー(ボーザール・トリオ)、およびアマデウス四重奏団などの巨匠達から学んだ。
Piano Trio / France
1988年にはミュンヘン国際コンクール優勝、1990年にはフィッシュオフ 室内楽コンクール(アメリカ・インディアナ州)でも優勝を飾った。フランスで教育を受けた後、全員がアメリカでのキャリアも積んでいる。そのことが単にフランス系の演奏団体というにとどまらず、ドイツ・オーストリア系のレパートリーやチャイコフスキーなどにグローバルな感性を豊かに見せ、彼らの創る音楽に普遍的な価値を与え続けている。
音楽誌ストラッドから「ヴァンダラー星」と呼ばれ、世界の最も権威のある様々なホールで演奏してきている。ベルリンフィルハーモニー、パリのシャンゼリゼ劇場、ロンドンのウィグモアホール、ミラノのスカラ座、バルセロナのパラウ·デ·ラ·ムジカ、ワシントンの議会図書館、リオデジャネイロの市立劇場、チューリッヒのトーンハレ、アムステルダムのコンセルトヘボウなどである。また、エジンバラ、モントルー、フェルトキルヒ、シュレースヴィヒ・ホルシュタイン、ラインガウ、コルマール、ラ·ロック・ダンテロン、ラ・フォル・ジュルネ(ナント、東京、新潟)、グラナダ、ストレーザ、大阪などの主要な音楽祭にも出演している。2002年8月のザルツブルク音楽祭デビューでは、批評家から「凱旋成功」として賞賛され、2004年と2006年には再演を果たしている。
ソニー・クラシカルから2枚のCDをリリースした後、1999年にハルモニア・ムンディとの契約を行ない、以来シューベルト、ベートーヴェン(ピアノトリオ全集)、ブラームス、ハイドン、メンデルスゾーン、ラヴェル、サンサーンス、ショスタコーヴィチ、スメタナなど多数の録音がリリースされた。さらに共演者を得てフォーレのピアノ四重奏曲、シューベルトの「鱒」五重奏曲、メシアンの「世の終わりの為の四重奏曲」、さらにジェイムズ・コンロン指揮ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団との共演で、ベートーヴェンのヴァイオリン、チェロとピアノのための三重協奏曲 ハ長調 Op. 56も録音している。最近では、2019年ラフマニノフ、2020年シューマンピアノ・トリオ全曲集など意欲的な新譜リリースは継続中。
Vincent Coq
Piano
ヴァンサン・コック
パリ国立高等音楽院卒業、1985年にプリミエ・プリ(一等賞)を受賞。その後も、著名なピアニストであるドミニク・メルレの指導の下、研鑽を積む。1984年には、ジュヌヴィエーヴ・ジョイ=デュティユーのクラスで室内楽のプリミエ・プリを受賞。その後、ジャン=クロード・ペヌティエのクラスでさらなる技術向上を図り、室内楽のスキルを磨いた。ニキタ・マガロフ、ジョルジュ・シャンドール、レオン・フライシャーの各マスタークラスにも参加し、多岐にわたる音楽教育を受ける。1989年にはアメリカのインディアナ大学ブルーミントン校に移り、ジョルジュ・シェベークに師事。現在、ローザンヌ高等音楽院で教授として教鞭を執る。2018年にはミュンヘン国際コンクールピアノトリオ部門の審査員を務め、2020年5月に開催された大阪国際室内楽コンクール&フェスタでも審査員として来日した。
Jean-Marc Phillips-Varjabédian
Violin
ジャン=マルク・フィリップ=ヴァルジャベディアン
パリで生まれ、5歳よりヴァイオリンを学び始める。パリ国立高等音楽院に入学し、1984年に室内楽部門、1985年にヴァイオリン部門でそれぞれプリミエ・プリ(最優秀賞)を受賞。その後、ジェラール・プーレとジャン・クロード・ベルネードに師事した後、イタリアのクレモナに移り、サルヴァトーレ・アッカルドのもとで研鑽を積む。
さらに、ニューヨークのジュリアード音楽院にてドロシー・ディレイに1年間師事し、カール・フレッシュ、ジノ・フランチェスカッティ、ロドルフォ・リピツァー、パームビーチなど、数多くの国際ヴァイオリン・コンクールで入賞を果 たしました。現在は、パリ国立高等音楽院の教授としても教鞭をとっている。使用楽器は、1748年製のガルネリ。
Raphaël Pidoux
Cello
ラファエル・ピドゥ
音楽のキャリアをピアノから始めたのち、父親の指導のもとでチェロを学び、17歳でパリ国立高等音楽院に入学。1987年には、その卓越した技術と才能が認められ、プリミエ・プリ(一等賞)を受賞し、その後はフィリップ・ミュラーのクラスに進む。さらに、室内楽をジャン=クロード・ペヌティエに、バロック・チェロをクリストフ・コワンに師事し、音楽的な視野を広げ、深めた。1989年には、さらに研鑽を積むためにアメリカのインディアナ大学ブルーミントン校に移り、そこで世界的なチェリストであるヤーノシュ・シュタルケルの指導を受けた。この時期には、ライプチヒで開催されたバッハ・チェロ・コンクールでの入賞を果たし、国際的な舞台でもその名を高めた。現在は、パリ国立高等音楽院で教授として後進の指導にあた流。使用楽器は1680年製のゴフレド・カッパ。